僕らが当時、仲間と呼んでいた四人で遊んでいたメンバーを一人一人思い出してみると、みんな別の星から来ていたんだなと解る。もう会う事も無いんだね、理解不能の愛すべき異星人の彼等。それぞれに言語以前の壁があって意思疎通もままならなかったけど、華奢なあの子が最後に残したメッセージにはこう書いてあって…生まれて初めて共感を覚えた。『故郷へ帰ったと思ったら、そこでまた孤独を感じ、親族の輪へ入っても私は別の誰かを思って郷愁に駆られる、さらに小規模な仲間の元へ帰ったと思っても、やっぱり私はいつも、本当の場所へ帰りたいと思ってる、何処へ行っても永久にそれが続くだけ』それでもあの時はそれなりに楽しかったんだよ。家族という仲間で分かち合う時間は、それなりに面白いものだったんだと僕は思う。何を義とするかについて、何を以て愛とするかについて、何を真理と感じるかについて…およそ全てに於いてまったく分かり合えない、血を分けた愛すべき異邦人たち。
散文詩【家族】
