我らの今(日替わりアクリル絵画)

『過去を振り返ることにより、我らは自己を認識するが、ほとんど現在の自己を把握しない、この点に於いて我らの自己認識は実に、不完全である』

最近ようやく、絵や音楽というものはつまるところ『表現者自身の概念』なのだなと理解した。概念と、日々訪れるイメージとをどう融合させて表現するか。一から何かを捻り出しているように思われるかもしれないが、私の場合は専ら訪れるものを描いている。他人にはわかりにくいが、これは自分で創造するというよりかは翻訳か変換作業に近い。

まあ、技術が上がれば変換作業にも手間取らないようになるだろう。ただここで注意したいのは、技術一辺倒はアート関連者には退屈されるので、変な話、鑑賞者が自分より確実に秀でている場合を想定すればするほど、時に技術よりも優先すべきは変換作業に伴う生命力そのものの表現である。

生命力と言うものに関しても私は『日々訪れるもの』という認識があるので、必ずしも老齢=枯渇とは思えないんだよなあ。それを体現してゆけば、この概念も鑑賞者が納得する可能性があるので、やってゆく次第である。