自分の服を作った、人形の服のほうが自由が利くのでついそっちで息抜きしてしまうが、日暮里で手に入れたリネン(麻)でブラウスを作るに至った。

結論から言ってしまうと、普段部屋着にしている既製品のメンズもののお古のほうが、正直ずっと自分に似合っていた。
余った布で作ったスカーフ…のようなストールのような、首の保温布のほうが断然役に立っている。

しかしながら作っている最中はすごく楽しい、完全にマイワールド、着る人の事なんかみじんも考えていない、この瞬間が一番好き。(そして着用したときに我に返る)

ミシンをかけている時なんかも独特の疾走感があって心地よい、国道でも突っ走っているみたいだ。(まだ高速には乗れない感覚が洋裁にはある)
なんとなく、ミシンは女にとってのバイクみたいなもんだと感じている。
こういった画像や種々の小さな喜びは、外部から見たら全く非合理的であって、しかもその知識自体もあまり実用的でないにもかかわらず、本人たちが意気揚々としている様はまさに、機械いじりをしている男のように思える。

そしてまた性懲りもなく日暮里に行きたくてたまらなくなっている、リネンの布もああいった問屋街で買えばまあ、買えないこともない値段だし、何より…
…手に入れた布が期待以下の作品にしかならなかった場合、かえって、何故か『次こそは!!』という競馬熱じみた情熱が沸き起こるのが人の常であって、もう次の馬券…じゃなかった、次の布に焦がれているのである。
負けが込むほど期待値が膨らむ。
そういうわけで、見事、日暮里繊維街輪廻に引き込まれている。