今回は宮廷の宴にて、玉藻の前が恋の駆け引きを楽しむお話…いつの時代も人間の楽しみの最たるものはやはり、対人関係での高揚なのだろうか?
だとすれば、恋と暴力だけは無くならないような気がしますね。
玉藻の前…すなわち九尾の狐の振る舞いの根源的なエネルギーも、そういった動的なものに感じるので、物語を読んだ方ならお解りと思うが、岡本綺堂の描く玉藻の前及び彼女にほだされる種々の男たちは、いかにも人間臭く、不器用で、それがかえって魅力的でさえある。
一方、悪魔を打ち滅ぼさんとする頼長や信西入道は、保守的過ぎるせいかちょっと味気ない。
話は逸れるが…私は、恥ずかしながら人生で全然読書をして来なかったので、玉藻の前は、昔なんとか読み進めることのできた本の中から選びました。
なのであともうまともに読んだ本がほぼ無いので…次に何を朗読したらいいかわからないのが、目下の悩みです。