【朗読】玉藻の前⑺雨乞い

『雨乞い』という小題でありながら、決死の雨乞い場面は次回である…物事の発端にこそ、核心が存在するのだ!という岡本綺堂の思考回路の一端を覗いたような気分だが、はて、凡人たる私は最早今回の玉藻の前の内容を忘れかけております。

私は記憶力が悪い。

今まで読んだものも、情景などのエピソード記憶としては…つまりは感覚的には覚えているが、理屈(文章的な内容)としてはかなり忘却しています。

理屈の記憶が弱いので、恥ずかしながら数値的な事も忘れている…つまり録音の設定数値とかも、もちろんメモして残してはあるのだが…そのメモを見ても、紀元前古代王朝時代の人の書いた謎の文字、くらいにしか感じられないので、編集には毎回手こずっている。

変に意識して(金銭的にも上位ランクのソフトが買えないために)手作業で細かく調整し過ぎて音が歪んでいたり…あまりに膨大な処理をした割に出来が悪かったりする回もあります。(しかしあまりに膨大な処理ゆえに、到底やり直せない、が、もうこれが個人の宅録、すなわち、そこいらの個人宅の録音編集の限界、と諦めている)

一方…

沢山の登場人物を読み上げること、声劇のようにすること…こうしたアナログ行為自体は遊び要素が多いので案外簡単です。

難しいのは何といっても録音編集です。

この『玉藻の前』を制作するにあたって一番感じたのは…プロの声優の方とかも確かに凄いが、沢山の声をひとつの作品に仕上げているプロの編集の方って、本当に凄腕!という事です。(勿論スタジオとか個人では買えないレベルの録音機材等の作用もあるが、それを使いこなす力量も含めて凄い)

だからこそ、このような個人の…素人の編集作品を聴いてくだる方がいて、私は本当にありがたいのです。