だいぶ主観的な話になりますが…(右脳的過ぎる話なので、意味がわからない方もいらっしゃるかもしれませんが…)
『玉藻の前』に於いて沢山のキャラクターの声を出すにあたっての音程や感覚を、すこし書いておこうと思います。
感覚論になってしまうのですが…絵を描くのが好きだったので、声についても色彩で捉えることが多いです。
色で例えるなら千枝松(主人公)の声は枯草色、みくずの声は珊瑚の明度をさらに上げたような色、陶物のおばあはスグリの実の色みたいな感じ、全員一応、和の色でまとまって一枚の絵になるようなイメージ。(自分の声で色んな色を出して『玉藻の前』の絵を描いてゆくイメージ。)
…で、客観的視点を交えて、これらの声の音域が実際何ヘルツくらいか?というと…
おおよそ千枝松400Hz、みくず700Hz、陶物おばあ300Hz~600Hz、よって400Hz近辺の音域は主にグリーン系、700Hzはピンク~水色系(800Hz以降は透き通った水色という感じ)、低音域の200Hzは渋い黒ずんだ感じ、300Hzはくすんだ紫やあずき色みたいな感じ…日本人ならばこのあたりの感覚はわかると思います。
図式化したメモを、ちょっと恥ずかしいのですが貼っておきましょうか。

さてここで、改めてそれぞれのキャラクターの声を出すにあたって、一番(内面的)特質を掴みやすいのが、そのキャラクターの欠点だと私は思います。
自分のメモから抜粋すると…
玉藻(みくず)→嘘つき、千枝松(主人公)→短気、頼長→サイコパス、忠通→バカ殿、兼輔→軽そうタラタラしている、実雅(さねまさ)→ゴリラ…
もう、まともな人物一人も居ないような物語になってしまっているが…人の特性を理解するのには欠点って重要だなと感じています。
なんでかと言うと、欠点は本当に長所だなと感じることも多々あるからです。
噓つきというのもまた気配り上手、短気→実直、サイコパス→冷静、女に興味なし(頼長はなんとなくそんな感じがしますねえ)、バカ殿→溺愛したり情に傾きやすいが基本的には優しい、軽そう→優雅、ゴリラ→これは攻殻機動隊しか思いつかなかった…が、まあ長所と短所はほとんど同一であり、欠点のほうが把握しやすいので、台詞を読む上では登場人物の欠点はとても重要視していました。
しかも欠点って、あくまでもこちらの主観なので、主観を強めた状態で物語を朗読すると、それだけで奥行というか…肉付きの良い?雰囲気が出るというか。
しかしながら…ここまで書いておいてなんですが、何がしたいのか自分でもよくわからないまま制作していて、とにかく今やれる表現の一つが朗読であり、朗読劇というかボイスドラマというかそういうものに偶然仕上がった…みたいな感じです。
自分でも謎ですが、聴いていただけてとても嬉しいです。
本音を言えば唄とギターがやりたいんですが如何せん…『作品』に昇華させるとなると、時間かかりますなあ。