【朗読】玉藻の前⑽三浦の娘

ようやく千枝太郎が主人公らしくなってきた第10話、正直ここからじゃないと『玉藻の前』の物語の真骨頂がわからない気もします。

挫折とか、生きていくことが心もとないとか、一見暗い状況の千枝太郎だが、なんとなくここに至って初めて、この少年らしいキャラクターに、男としての実感が出てきたようにも思える…やはり大御所の描く主人像というのはなかなか良いものですな。

全く個人的に、男の人って挫折した経験のある人特有の色気みたいなものがあるなあと感じたりもする…が、屈折してしまうと一気にダークサイドに飲み込まれる雰囲気があるのも事実。

とは言え屈折については、男女関係なく…人類の課題なのかもしれませんな、かくいう私も挫折を通り越して屈折しまくっている。

では、主人公千枝太郎は果たしてこの挫折を『うまくコントロール』出来るのか?

あるいは屈折すら通り越して『漆黒の闇に堕ちて』しまうのか?

…現実的に考えればこんな『挫折経験者』の美青年がフラフラしていたら、都だし、新しい女性もどんどん寄ってきそうな気がするが、まあここはお話ということでお楽しみください。

サムネイルは、トンボにしようと思ったが、都合上拡大してみたら意外と生理的に無理だったので、夢のシーンで衣笠と千枝太郎が歩いている『秋の野原に居た蝶々』にしました。

虫って可愛いときとグロテスクな時の差が激しいよなあ…。