【自作短編小説】

【自作短編小説】

ショートショート【アカペラ少年】

ステージの中央に立つアカペラ少年はにこやかに唄っていた、たった一人の男子中学生に大勢の拍手が浴びせられる、アカペラ少年は妙に場慣れした様子でお辞儀をした。 奥様方、ご静聴ありがとうございます、とでも言いたげに優雅に礼をした。 制服のスカートがきつい、どういうわけだか胸を締め付ける構造の紺色のベストもきつい、この沸き立つ空気も…私が吸うには色彩が明るすぎる…少女はそう思い身を固くした。
【自作短編小説】

ショートショート【死後空港】

女は意識が遠のいてからの日数を覚えておらず、気がついたらこの空港へ来ていた。 自分の肉体が、あの趣味の良い静かな家の中で腐敗し、破裂し、どこからともなく小さな虫たちが湧き出でて、彼等の新たな王国の苗床になっていることなど女にとってはもう些末な事柄だった。
【自作短編小説】

ショートショート【Maybe Angels】

褐色の肌をした老婆は道路へと一歩また一歩と踏み出していた、売春宿へと続く干からびた道を老婆はよたよたと歩き、一つ一つ、投げ捨てられたゴミを丁寧に拾っては袋へと入れていた、その袋からは拾ったゴミがぽろぽろとこぼれ落ち、再び路上へ転がっていった。
【自作短編小説】

ショートショート【紅い骨】

真夜中二時の美術大学に僕は今、忍び込んでいる。
【自作短編小説】

短編小説【登塔者の炎】

中世…塔に籠る聖者が居た、聖者の見ている聖なる幻はいつしか隣の塔に住む若い娘にも見えるようになり…【登塔者(とうとうしゃ)の炎】ロシア正教では塔に登って修行するという修道スタイルがかつて実在したようです。
【自作短編小説】

短編【船幽霊(ふなゆうれい)】江戸時代イメージ小説

寒漁村…船貸しに嫁いだ嫁の逢瀬の相手とは?江戸時代イメージ小説【船幽霊】をお楽しみください。
【自作短編小説】

短編小説【無口な演者】

吃音を持つに至った主人公が演劇に目覚め…自分以外の全てへの共感こそが彼の救いであった【無口な演者】うまく喋りにくいという欠点克服の先にあるのは…。
【自作短編小説】

短編小説【獄中聖歌】

中世、湿った牢の中に一人の修道士が異端のかどで叩き込まれた…罪人と異端者との奏でる【獄中聖歌】をお楽しみください。
【自作短編小説】

短編小説【富士総合火力演習】

国防とは、自衛であり、行き着くところは個人の尊厳に繋がる…と語る俺の彼女【富士総合火力演習】何故自衛が必要なのかを日常視点で解き明かす自作短編小説。
【自作短編小説】

短編小説【魔物になりかけた男】 ※トラウマ注意

小児性愛者を題材にした自作短編小説【魔物になりかけた男】…小児性愛者は何を背負っているのだろうか?悪魔的人物の神秘を探るために書き上げたトラウマ『昇華』小説。