薔薇に付随する文言として『透明感』というのがよく用いられるが…このプチトリアノンのように薄いピンク色の薔薇を見ていると案外納得のいく表現であることがわかる。
涙に濡れたような透明感のある薔薇…
その日は雨…実はさらにその前日に一番見事に咲いていた房だったのに、何度やってもシャッターが降りず、結局、少しうなだれたような姿を写真に収めた。
泣き顔のようにも見えるし、恥じらっているようにも感じられる、透けるように白い肌を連想させる。
薔薇の花びらは水分を含んでいるせいか、透明に見えるときがある。
勿論どんな花でも大抵そうなのだが、桜は花びらが小さすぎて、花の葉脈は見えないので透明感はあまり無い。薔薇でも赤味の深いものになると透明とは言い難く、先に紹介した薔薇たちは花びらが厚いのでやはり透明度は低い。
蕾自体はピンクなのに、花自体は白っぽい。
まだお子ちゃまという感じがする。
しかし今年は花びらが痛んでおり、咲いたと思ったらもう茶色くなっていたりした。
外ではやたらと綺麗な鳴き声の鳥がさえずっているので、もっと鬱蒼とした山奥にいるような気持になる。
まあもう十分、野山に近い環境ではあるが…。
ちなみに、虫対策としては、庭に数か所ラベンダーなどのハーブ類を植えている。
花びらの中で歓喜にうずもれている虫は居るが、まあ、そのくらい許してやっても薔薇が咲く方が旺盛なので放置している。
薔薇はなんとなく女の一生を思わせる。
雨の翌日には、もう少女の面影のない肉厚な感じの花びらに…たった一晩で別の様相に変化しているのもまた一興。
プチトリアノンも一本の幹(苗)なのだが、いくつも房になって咲くので、白い綿菓子がたくさんあるようにも見える。
…すっかり薔薇ブログになってしまっているが、この時期に薔薇を語らずしていつ語る?…ということでもう少しお付き合い下さい。