旧約聖書朗読【ミカ書】その剃った所をはげたかのように大きくせよ…

1:16あなたの喜ぶ子らのために、あなたの髪をそり落せ。
そのそった所をはげたかのように大きくせよ。
彼らは捕えられてあなたを離れるからである』

こう書いてあるとはいえ剃髪した仏教僧をサムネイルにするわけにもゆかず…

3:3またわが民の肉を食らい、
その皮をはぎ、その骨を砕き、
これを切りきざんで、なべに入れる食物のようにし、
大なべに入れる肉のようにする。』

こう書かれているからと言って鍋と肉画像をサムネイルにするわけにもゆかず…

結局禿鷹にした次第である。

どうも預言者ミカと私は気が合わないらしい。ミカはやたらと見せしめのようにサマリヤと叩くので腹が立ってくる。ちゃんと読めばエルサレムも叩いているのだが…。サマリヤがどういう地かというと何故かユダヤの人(都会っ子のエルサレム人たち)から馬鹿にされている不遇の土地である。

でもってその都会っ子のエルサレム人たちも、近隣国から馬鹿にされたりしてバビロニア捕囚となったりエジプト捕囚となったりして散々いじめられている民族である。

いじめられているがゆえの…さらに少数派を見つけていじめる気質がありありと出ている。あまりに周囲の強大な民族から虐げられているとかえって偏った民族主義が発生したりする典型。

…等とボロクソに言うようだが、だからこそこの『弱者の立場』から書かれた聖書というものが、結局人類の共感意識にとても切実に響いているのです。

※さて全く個人的見解で、これはもう朗読人格とは無関係の視点なので話半分に聞き流してもらって構わない話題だが…エルサレムの人々がサマリヤを馬鹿にする図、いじめられたものがさらに他者を虐めるという負の連鎖。これを昨今で例えるならば…某ナチズム大発生の地も、歴史的に不遇の地で、何故か虐げられてきた故に他者を排斥するナチズム思想に傾いてしまい、結果的に大国から侵略制裁を受ける羽目になっているのかもしれない。そしてそのお涙頂戴ナチズム大発生の地が、なんと自分たち自身が散々馬鹿にしてきた当のシオニズム(新ユダヤ、と感じられる)の人々と、『他者を排除する意識ゆえに』手を組み、大統領に据えるような茶番を、現代の我々は見させられているのである。

もっとも、それを指揮しているのは新約聖書を信奉する元いじめっ子のローマ系思想を受け継いだ人々なのが皮肉だが。つまり聖書時代は今現在も続いているのである。

このように、聖書はなんとも、業の深い書物であるが…それでも、一点にすべてが集約する概念がやはり美しい。

そして今回のミカ書も気に食わないながらも、ミカという預言者が神から強烈に賜ったままに『預言せずにいられなかった』切迫した感じが素直で良い。旧約聖書は厳めしいが、預言書というものは基本的に『個人的には意味がわからないけれど、人知を超えた神から賜ったものをただ吐き出さねばならない』という…実直さが、他の聖典(仏教書等完全にわかってる人がわかってるままに理論的に作った書物)には無い魅力である。