【朗読】山の人生『二十 河童』柳田國男

『木の子』の話が出るが…体感としてこれはよくわかる。

『その姿ありともなしとも定まらず』とあるように、何か確実に居るというのではなく、森林の中や歩き疲れたときなどに、自分が何処にいるのか一瞬わからなくなり…その時、まさにその瞬間に、自分が何者かと対面しているような体感を覚えることがある。

勿論これを霊感などのある人に言えば幽霊ということになるが…

人、というよりも、存在といったほうが近いように思える。

無論、状況的に考えれば低血糖や疲れた時特有のただの生理現象に過ぎないだろうが、人はやはり、自然というものに対して漠然と、妖怪めいたものを考え出してしまう事自体は、十分に不思議だと思う。