旧約聖書朗読【ハガイ書】山に登り、木を持ってきて主の家を建てよ…

ハガイ書で描かれる神はどうやら戸建てマニアと同じ思考回路らしい。とにかく主の家を建てることが民のやることで、それをすることによって神は喜ぶと書かれている…個人的には至極納得だ。しかもその家が木造であることを指定している。聖書中での主の家というとエルサレムの石造りの神殿を思い浮かべるが…ハガイ書で書かれたのはあくまで、故郷に戻ってその地の産物を使って宮を建てよという寓意であることを視野に入れたとしても、木の家を建てるというのは聖書ではなかなか珍しい表現だと思う。

というのも歴史的背景を見るとバビロニアに捕囚に行かされていた時期を経て、ユダヤ人たちは故郷に戻って神殿(神の家)を建てることを晴れて許された状態だったらしい。

エジプトに行かされたり他の強国に囚人にされたりして…不憫、とも思うが果たして現在の我々でさえ、強国の捕虜でないと言い切れる人民は居るのだろうか?案外どの国の人にも、『自国の文化が蔑ろにされ、強国の文化ばかりがもてはやされたり、自国の人が軽んじられ、強国の人々ばかりがこちらを支配している雰囲気』というストレスは共通しているのではなかろうか。

聖書を読むときには勝手に預言者になりきって読んでいるのでわりと没入しやすいんだが…なんだか現代と重なるところがあるように思えてならない。