さて全く朗読とは関係ないのだが…私はビスクドールを一体所有している。
その人形のドレスを作っていたのだ。
当初は『一週間くらいで出来そうだな♪』と軽く考えていたが…
当たり前だがもっとかかり、年まで越してしまった。
型紙?寸法?
そんなものは無い、というかそんな概念自体が私には無い、定規自体使っていない。
…という漢らしいほどの潔さでいきなり縫い始めたが…
いやこれが面白いのなんの、案外出来上がってきたところで…
一番難しかったのがボネット、通称ボネと呼ばれるお人形の18~19世紀を思わせる豪華な帽子である。
人形の写真などを画像検索して、なんとなく漠然と見様見真似で進めてゆく…ので、本物のお人形のお帽子とはかけ離れた代物だろう。
かぶせてみて様子を整え、糸を緩めたりきつくしたりして調節、針金も通してみる。
後ろが寂しいのでリボンをつけ足す。
糸もリボンも無限にあるように勘違いするが、あと残り少し。
こんなもんかな?
服を着せてみたときに…肩まわりが寂しいというか、着物のようなつるんとした形状になってしまったため、急遽肩パットならぬ肩飾りをとりつけることにした。
肩パットの文化はもう半世紀近く昔の事である故、三十路後半の私ですら意味が解らずにいたが…
肩を盛ると案外かわいいのも確かである。
何か公的な魅力が増す。
こんなことをしていたのであります。
洋裁をやると決め、結局独学であれこれやり始めたのが去年の9月、この人形を購入してから後の事であるので、もう傍目には奇天烈な出来栄えだろうけれども、とりあえず完成した。