【聖書朗読】ルカによる福音書(前編1~13章)

ルカによる福音書のシンボルは牡牛…ということで牛にまつわる植物を探してみたところ、『牛の舌草』なるものを発見し→牛の舌草の属するストレプトカーパス属…つまりストレプトカーパスという青い花の植物をイメージ画像に起用した。

牛の舌草でもよかったのだが、ちょっと花数が少ないのと、ストレプトカーパスという名前でなら、範囲が広がるのでそうした次第である。

ルカによる福音書は、もうこれは序盤の段階である程度の創作であることが表明されているので(『…わたしもすべての事を 初めから詳しく調べていますので、』)、この福音書に関しては作品として扱おうかと思う。

興味深い箇所がいくつかあるが…ともかく出だしから、オペラでも始まるような雰囲気で、マリア、ザカリアといった登場人物たちが自らの『精霊に満たされた状態』を高らかに歌いあげる。明らかに旧約とは文化が異なるのを感じる。

そして聖母マリアはこのルカ福音書に於いて唐突に『神秘的な少女』の気配を漂わせる…少なくともマタイ、マルコで感じたような、他の兄弟も大勢産んだ田舎のお母さんといった様相ではなくなる。

なんとなく思うのが…おそらくルカによる福音書には、他にも登場人物たちの高らかな詩の箇所があったのではないか?ということだ。ヘロデ大王の独白や、洗礼のヨハネの苦悶、マグダラのマリアの悔恨、真っ直ぐなペテロのゴルゴタの嘆き、ユダからキリストへの手紙…みたいなものを想像する。少なくとも1章の聖母マリアの唄なんかは、ミュージカルの域なので、ルカには音楽的な才能があるのではないかと思われる。

あとルカによる福音書で特徴的なのは数字の重複か。8章の12年間、長血を患っていた女と12歳の少女の死と蘇り、13章での、シロアムの塔に押しつぶされた18人と、18年間かがんだままの女…聖書に於ける数字の捉え方が、三位一体以外はいまいちピンとこないが、世の中で偶然と見られるものの背景には、多数の運命の糸(意図)が蠢いているというように受け取れる。