紅茶染めレース(洋裁)

待ち針が付いている時がいちばん美しく見える…

洋裁は日常を愛するための趣味である…といってもはじめたのは結局去年の秋ごろから。

待ち針が刺さってる状態こそが洋裁の真骨頂という感じがする、これがいわゆる乙女心というものなのか。

(あと20年ぐらい前に洋裁をやりはじめていたら、それが趣味にせよ、結構人格に影響を及ぼしたかもしれない)

本当に洋裁は息抜きになり、尚且つ手先を動かすので案外色々考える…絵や朗読というのはどうしても本気すぎて引く、みたいな体感になりやすいので、洋裁でガス抜きしている感覚だ。

人形服

安いケミカルのレースを紅茶で染めて、似非アンティーク風味を出す。

ちょっと面白いのが、おおよそ文化芸術の類って、汚れや経年劣化そのものを美として崇める傾向があるので、一般的に考えられている『清潔』とはちょっと差異のある美学に目覚めることになる。

レースをどんどん追加する

今作っているのは人形用の服だが、人形のいいところは華美過ぎる装飾が是とされる事だ。

そして針を手にして、料理(煮物とか適当なモノ…)の匂いが漂う空間に居ると…

奇妙な至福感を覚える。

洋裁は、日常を愛することが目的の趣味であり…おそらくは、服の完成如何は二の次なのである。